『ウォール街のランダム・ウォーカー』書評 人生の投資方針を確定できる書

オススメ紹介

本書の情報:バートン・マルキール (著), 井手正介  (翻訳)  『ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理』(2019.7 日経BP)

全米累計150万部越えと、「投資の名著」として名のしれている本です。

本書は

  • 投資を始めようと考えている方
  • 投資初心者
  • 個人投資家

は絶対に読むべき1冊と言えるでしょう。いわば、個人投資家にとっての聖書です。

本書を読了して、私はこれからの投資方針が定まりました。文量はかなりありますが、時間を掛けてでも読むべきです。

では、一体どのような内容なのかをサラッと紹介します。

投資で成功するには?

結論

結論は、「インデックス・ファンドで幅広い分散投資を行い、長期運用する」ことです。理由は、「最低の運用コストで市場平均リターンを享受できる」からです。

私の本は一獲千金を目指す向きには何の役にも立たないP364

と上記の文章は本書の投資に対する考えが表されています。すなわち、対象銘柄や世界の動向などの情報に注目する、チャートを見て分析する必要はないのです。デイトレードやFXは素人が手を出すとベテランのカモにされるだけで、やるべきではないのです。

では、なぜ幅広い分散投資を行うのが良いのでしょうか?

答えは株価はランダム・ウォーク(= 過去の動きから未来を予測することは不可能)だからです。

→ 過去の株価の動きから将来を予想するテクニカル分析を真っ向から否定しています。

加えて、ファンダメンタル分析も否定しています。企業の利益・期待成長率は株価に適正に反映されているからです。

過去の過ちから学ぶ

初めてのバブルは17世紀のオランダで起こったチューリップバブルです。チューリップの球根が投機の対象となり価格が高騰しました。ですが、突然に価格は下降し悲劇をもたらしました。

チューリップ・バブル以外にも、日本のバブル崩壊やリーマン・ショックなどの過去の投機ブームの過ちから学ぶことが、投資家の身を守ります。

最新のバブルとして挙げられていた「仮想通貨」にも警鐘を鳴らしています

とりあえず、短期間で大儲けしようなどと考えないようにしましょう。

なぜ、分散投資が良いのか?

  • 「どんなに優れた個人あるいは機関投資家でも、常に市場平均よりも市場のことをより良く知っているなんてありえない」 P124
  • 過去のデータから、売買頻度の多いほどパフォーマンスは悪い
  • 不確実性の高い状況で何か判断をする時、自信過剰と将来を楽観視しすぎる傾向がある
  • 同じ額でも利益より損失の方が大きく感じてしまう人間の特性、損失回避願望が投資の失敗に繋がる =値下がりした銘柄を損失を出してまで売却することを避ける 

以上のことから、分散投資で長期運用しておけば良いのです。

具体例として、アセットミックス 株式:債権 = 70:30 などと決めて、それを維持することが良いと書かれていました。

また、アセットミックスの例を紹介した表では、株式の中でも更に分散してアメリカ株・先進国株・新興国株のインデックスファンドで形成されていました。

とにかく、素人は幅広い分散投資を行うことが良いということです。

本書は、人生の投資方針を決めるに最適な本でした。

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